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『横須賀歌麻呂のYARIMAN HUNTERほのぼの撮影日誌』vol.11


12月13日 水曜日 晴れ

撮影11日目。

この日は某駅前にて一日中野外での撮影。

季節は真冬。

寒いんです。

とても寒いんです。

出演者は近くのカラオケ屋さんを控え室に使わせてもらってるので出番以外は暖かい場所で待機できるのですが、撮影スタッフの方々はずっと外にいるのでとても大変です。

撮影は昼前から深夜まで12時間以上に及びました。

その間、撮影スタッフの方々はほんの僅かな休憩時間を除いてずっと寒さに耐えながら長時間にわたる撮影をこなしていくのです。

本当に頭が下がります。

そんな過酷な状況の中で誰よりも戦っている男がいました。

その名は『セクシー川田』

撮影の手伝いに来てくれた後輩芸人です。

セクシー川田は、刑事ドラマ「あぶない刑事」で柴田恭兵さんが演じていた"セクシー大下"こと大下勇次に憧れて、その憧れを全身全霊をかけて体現する《柴田恭兵なりきり芸人》として活動している芸人です。

彼は出演者や裏方として既に何度も撮影に参加してくれているとても頼りになる後輩芸人です。

この日は野外の撮影ということで、歩道の端に設けた機材置き場兼休憩所の荷物番という地味な役回りをお願いしたのですが、
彼の仕事に取り組む姿勢はかなり独特です。

どのように独特かというと、

真冬なのに薄着なんです。
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赤いシャツの上に薄手の水色のジャケット。そしてジャケットの袖はまくっています。

「オシャレは我慢」という言葉がありますが、

真冬に薄着でダサいんです。

なぜ彼は真冬に薄着でダサいのか?

セクシー川田曰く
「シティハンターの冴羽さんと同じファッションです」
だそうです。

水色のジャケットの下にはホルスターに納められたコルトパイソンのモデルガンも装備されていました。

何からどう突っ込んでいいのか
途方に暮れてしまいます。

というのも、彼は芸人として活動をしていますが、基本的にボケません。

常にマジなんです。

ふざけてないんです。

柴田恭兵さんに憧れた川田少年は、刑事ドラマで刑事役をやりたくて俳優養成所に入り、映画やドラマのエキストラとしてキャリアをスタートしたそうです。しかし、常にカメラ目線で余計な動きをするので撮影に呼ばれなくなり、それならばお笑い芸人になって刑事コントで刑事になろうと思いお笑いの世界に足を踏み入れたそうです。

彼はべつにお笑いには興味がないんです。彼は刑事になりたいんです。現実の世界の刑事ではなく架空の世界の虚構の刑事になりたいんです。柴田恭兵になりたいんです。セクシー大下になりたいんです。

そしてシティハンターにもなりたいんです。

そしてそれは全て本気なんです。

彼は全力で夢を実現させてるんです。

荷物番をしながら実現させてるんです。

しかし、それにしても何故、真冬に野外で荷物番をするシュチュエーションでシティーハンターにならなければいけないのか?

「だって、カッコイイじゃないですか」だそうです。

彼の人生にはつまらない大人の常識なんてものは必要ないんです。

まわりの人達はそんな彼をいじります。

すると彼はいつも決まって不敵な笑みを浮かべながらこう言います。

「悔しかったら、カッコつけてみな」

彼は常に自分の夢を実現させながら生きている成功者の余裕に溢れています。

しかし、悔しくもないし、カッコよくもありません。

珍しいタイプのバカなんです。

普通の生活をしていたらなかなか出会えない種類のバカなんです。

「あぶない刑事」ではなく
「こち亀」や「ポリスアカデミー」に出てくる種類のバカなんです。

普段のセクシー川田は、礼儀正しく温厚でよく気の利く好青年です。
撮影の手伝いも快く引き受けてくれる本当に有難い存在です。
しかし彼は決して誰にも迷惑をかけずに穏やかに狂ってるんです。

「あぶない刑事」ではなく
「あぶなくない馬鹿」なんです。

ちなみに彼は大のデリヘル好きなのですが、デリヘルを呼ぶ際には「谺丈二」(こだまじょうじ)という名前を使っているそうです。

好きなアニメのキャラクターの名前だそうです。

「谺丈二といえば、清瀬あたりじゃちょっとは名の知れたプロのデリヘリストさ」だそうです。
(清瀬とは西武池袋線の清瀬のことです)

たぶん僕が見ているセクシー川田は、セクシー川田という巨大な氷山の一角だけなんだと思います。

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セクシー川田
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